ElevenLabs は2026年10月29日、テキストから効果音を作る最新モデル SFX v3 を公開しました。公式によると、複数の音を描写したプロンプトにより安定して従い、音楽やボーカルの生成も改善され、ゴング・風鈴・ホイッスルのような音で出やすかったノイズ(アーティファクト)も減っています。SFX v3 は ElevenCreative と API で使えますが、API はまだ限定公開で、効果音の料金は1分あたり $0.12 です。ElevenLabs 自身のアプリ以外では、RaoMusic の ElevenLabs 効果音がすでに SFX v3 に切り替わっており、料金は1秒あたり1クレジット(最低5クレジット)です。
最終確認日:2026年10月31日
ElevenLabs SFX v3 で何が変わったのか?
公式発表では、SFX v2 と比べて次の4点が挙げられています。
- 1つのプロンプトに複数の音。「複数の音を描写するプロンプトを、より確実に処理できます。」公式の例は、観客の歓声、ボールの落下、そして数秒後に同じ観客がブーイングするというものです。
- 音楽とボーカル。「SFX v3 は、音楽やボーカルを含むプロンプトの生成も改善しています。」
- よりクリアな音質。ElevenLabs によると、v3 は「ベンチマークテストで SFX v2 よりクリアで自然な音声を生成する」とのことです。この比較は ElevenLabs 自身のテストによるものです。
- 金属音のノイズが減少。新モデルは「ゴング、チャイム、ホイッスルのような音で、不要なアーティファクトが出にくくなっています」。
ElevenLabs 公式 YouTube チャンネルの動画「Introducing SFX v3」を埋め込んでいます。
ElevenLabs で SFX v3 を使うには?
ElevenCreative では、Flows、Sound Effects タブ、Studio、Music Editor で SFX v3 が使えると案内されています。ElevenLabs のモバイルアプリでも利用できます。API の場合は、これまでと同じ効果音リクエストを送り、モデル ID(使うモデルを指定する値)を eleven_text_to_sound_v3 にします。モデル ID を省略すると eleven_text_to_sound_v2 が使われます。ドキュメント上では、こちらが今もデフォルトモデルです。
ただし、まだ全員が使えるとは限りません。ドキュメントには「SFX v3 は限定公開中で、すべての地域で利用できるとは限りません」とあり、アクセス権のないアカウントから API リクエストを送ると「Unknown model」エラーが返ります。
| SFX v2 | SFX v3 | |
|---|---|---|
| API のモデル ID | eleven_text_to_sound_v2 | eleven_text_to_sound_v3 |
| モデル ID を省略したときに使われるか | はい(デフォルト) | いいえ |
| 提供状況 | デフォルトモデル | 限定公開、地域によって異なる場合あり |
| ドキュメントでの説明 | デフォルトモデル | 複数パートのプロンプトにより忠実、ボーカルや音楽的な音が向上 |
同じドキュメントページには効果音の設定項目も載っています。1クリップ0.1〜30秒、プロンプトの影響度(prompt influence。高いほど文字どおりに解釈)、繰り返し流す環境音向けのループ、MP3 出力、そしてループがオフのときに限り 48 kHz の WAV 出力です。
SFX v3 の料金は?
ElevenLabs の API 料金ページでは、効果音は1分あたり $0.12 です。ドキュメントでは、長さを指定した場合は1秒あたり ElevenLabs 独自のクレジットを40消費すると書かれています。確認した時点では、どちらのページにも SFX v3 専用の料金は載っていませんでした。
RaoMusic では、ElevenLabs 効果音は「長さ」1秒あたり1クレジット(最低5クレジット)なので、10秒のクリップなら10クレジットです。サブスクリプションなしで使えます。
SFX v3 は1つのプロンプトで複数の音を扱えるのか?
公式の例にならい、3つの出来事が決まった順に起こるプロンプトを書きました。RaoMusic では「説明への忠実度」で、結果がどれだけ説明どおりになるかを調整できます。
プロンプト:Football stadium: the crowd cheers loudly, then a ball drops and bounces twice on the grass, then the same crowd boos.(サッカースタジアム:観客が大きな歓声を上げ、続いてボールが落ちて芝の上で2回弾み、そのあと同じ観客がブーイングする。) · 長さ:10秒 · 説明への忠実度:0.3(デフォルト)
試聴メモ:スタジアムの歓声、ボールが2回弾む音、そしてブーイングが、指定した順番どおりに鳴ります。演出の効いたスポーツ映像や、試合中のコミカルなミスの場面に向いています。
同じプロンプト · 説明への忠実度:0.7
試聴メモ:同じ3つの出来事が同じ順番で鳴ります。ボールの弾む音はドライで、大きなスタジアムらしい残響がありません。リアルさが必要な場面なら、編集ソフトで少しリバーブを足してください。
出来事は鳴らしたい順に書き、「then」でつなぎます。まずはデフォルトの説明への忠実度で試し、抜け落ちる音があれば値を上げましょう。
SFX v3 ではゴング・風鈴・ホイッスルのノイズは減ったのか?
プロンプト:A single large gong struck once with a soft mallet, long shimmering resonance slowly fading out.(大きなゴングを柔らかいマレットで一度だけ叩き、きらめくような長い余韻がゆっくり消えていく。) · 長さ:10秒 · 説明への忠実度:0.3
試聴メモ:柔らかいマレットの一打と長い減衰。余韻の部分にわずかな揺れとかすかなヒスノイズがあります。きれいに終わらせたいなら余韻を早めにフェードアウトさせましょう。そのままでも、場面転換や瞑想動画のオープニングには使えます。
プロンプト:Metal wind chimes ringing gently in a light breeze.(金属製のウィンドチャイムがそよ風の中で静かに鳴る。) · 長さ:8秒 · 説明への忠実度:0.3
試聴メモ:金属的なチャイムの音は自然な間隔で鳴りますが、風の音はほとんど聞こえず、伸びる響きにはデジタルっぽいフェイジングと高域のリンギングがかすかに乗っています。別の風の音や屋外の環境音を下に敷くと、減衰部分もまとめてごまかせます。
プロンプト:A referee blows one long steady whistle blast, then silence.(審判が長く安定したホイッスルを1回吹き、そのあと静かになる。) · 長さ:5秒 · 説明への忠実度:0.3
試聴メモ:1回の長い笛ではなく、震えるような短い笛が2回鳴りました。ファウルの「ピピッ」として使えます。長い1回の笛が欲しいなら、説明への忠実度を上げて再生成してください。
同じプロンプト · 説明への忠実度:0.8
試聴メモ:ホイッスルが1回、少しトリルがかかって音程も揺れたあと、無音になります。多少の揺れが気にならなければ審判の合図として使えますが、まったく平らな音が必要なら再生成しましょう。
SFX v3 で音楽やボーカルは作れるのか?
ElevenLabs は、v3 では音楽やボーカルを含むプロンプトの扱いが向上したとしています。そこで、楽器付きの短い歌のジングルを頼んでみました。
プロンプト:A small children's choir sings a short cheerful 'la la la' melody over a toy piano, like a cartoon intro jingle.(小さな児童合唱団が、トイピアノに合わせて短く明るい「la la la」のメロディを歌う。アニメのオープニングジングルのように。) · 長さ:10秒 · 説明への忠実度:0.3
試聴メモ:子どもたちが「la la la」とはっきり歌っていますが、トイピアノはなく、エコーのかかった歌い方は明るいというより厳かに聞こえます。アニメのオープニングより、ホラーやスリラーの不気味なフレーズに合います。
同じプロンプト · 説明への忠実度:0.8
試聴メモ:子どもたちが楽器なしで「la la la」と歌い、マイナー寄りの不気味な節回しになっています。このテイクもアニメよりホラー向きです。
どちらのテイクも歌は正しく出ましたが、トイピアノと明るい雰囲気は再現されませんでした。伴奏付きの明るいジングルが欲しい場合、RaoMusic では ElevenLabs Music のような音楽モデルを使うのが代わりの方法です。
10月の SFX v2 のクリップと比べるとどうか?
2026年10月14日の ElevenLabs と Suno の比較記事では、この街の環境音プロンプトを eleven_text_to_sound_v2 で、15秒・プロンプトの影響度0.8・ループオフの設定で生成しました。SFX v3 のクリップはまったく同じプロンプトと設定で、10月31日に生成したものです。
プロンプト:A cinematic sunrise city soundscape: distant traffic and soft footsteps on wet pavement, a gentle bicycle bell passing by, birds beginning to sing, and a warm hopeful swell of urban ambience. No speech, no music, clean natural detail, polished film sound effect.(映画のような夜明けの街のサウンドスケープ:遠くの車の音、濡れた歩道を歩くやわらかな足音、通り過ぎる穏やかな自転車のベル、さえずり始める鳥、そして温かく希望に満ちた街の環境音の高まり。会話なし、音楽なし、クリアで自然なディテールの、仕上がった映画用効果音。)
SFX v2 · 10月14日
試聴メモ:濡れた地面の足音、はっきりした自転車のベル、遠くの低い響きはありますが、鳥の声はほとんど聞こえず、盛り上がりの部分はやや人工的です。映画のメインの場面を支えるほどの奥行きはないので、静かな背景音や場面転換に使うのがよいでしょう。
SFX v3 · 10月31日
試聴メモ:自転車のベルが前に出ていて、濡れた路面、遠くの車の音、はっきりした鳥の声もありますが、温かな盛り上がりは入っていません。ドラマやポッドキャストの場面で、リアルな朝の街の背景音として使えます。盛り上がりが欲しければ、下に音楽のパッドを敷いてください。
v3 のテイクは鳥の声がよりクリアですが、v2 のテイクにあった盛り上がりがなくなっています。
RaoMusic で SFX v3 を使う方法
- 作成ページを開き、モデルメニューで ElevenLabs を選びます。どちらのバージョンを選んでも効果音には SFX v3 が使われるので、ElevenLabs のバージョンはどちらでもかまいません。
- サウンドタブに切り替えます。
- 効果音の説明に作りたい音を書きます。複数の出来事がある場合は順番に並べます。
- 長さ(1〜30秒)を設定し、細部が抜け落ちるときは説明への忠実度を上げます。
- 繰り返し流したい環境音ならシームレスループをオンにします。
- 「生成」を押します。

ゲーム制作なら、ゲーム効果音ジェネレーターからも同じ ElevenLabs のサウンドフォームが開きます。
どのようにテストしたか
2026年10月31日、RaoMusic で ElevenLabs を選んでサウンドタブ(SFX v3 で動作)を使い、シームレスループをオフにして9つのクリップを生成しました。各クリップのプロンプトと設定は、それぞれのクリップの上に記載しています。各ジョブの状態を5秒ごとに確認し、どのクリップもリクエストから11秒以内に完成していました。SFX v2 の参考クリップは、10月14日の比較記事のものです。クリップの下にある短い試聴メモは、そのファイルがどう聞こえるかを書いたものです。再生してご自身の耳でも確かめてください。
| クリップ | クレジット | 完成までの時間 |
|---|---|---|
| スタジアム、0.3 | 10 | 約6秒 |
| スタジアム、0.7 | 10 | 約6秒 |
| ゴング | 10 | 約6秒 |
| ウィンドチャイム | 8 | 約6秒 |
| ホイッスル、0.3 | 5 | 約6秒 |
| ホイッスル、0.8 | 5 | 約6秒 |
| 児童合唱、0.3 | 10 | 約6秒 |
| 児童合唱、0.8 | 10 | 約6秒 |
| 街の環境音 | 15 | 約11秒 |
よくある質問
RaoMusic の<a href="/commercial-license">商用ライセンス</a>のもとで、生成した効果音は YouTube 動画、ゲーム、ポッドキャスト、クライアントワークなどの商用プロジェクトにロイヤリティフリーで使えます。無料プランでも同じです。
1回の生成は最長30秒です。「シームレスループ」をオンにすると終わりが始まりにつながるので、あとは編集ソフトやゲームエンジンで必要な長さだけ繰り返してください。
英語のプロンプトが最も効果的です。ほかの言語で入力した場合は、生成前に「英語に翻訳」を押してください。
いいえ。SFX v3 は最長30秒のクリップを作るモデルで、ElevenLabs Music はフルサイズの曲を作ります。RaoMusic では、ElevenLabs Music の料金は曲の長さ1分あたり40クレジットです。
いいえ。RaoMusic の料金は「長さ」だけで決まります。説明への忠実度とシームレスループはクレジット消費に影響しません。
