ElevenLabsは2026年10月15日にInstant Soundtracksを公開しました。動画をアップロードすると、モデルがその動画のためにオリジナル曲を作り、さらに映像を分析して効果音が必要な場面を見つけ、そのタイミングに生成した効果音を配置します。ElevenCreative、ElevenMusicプラットフォーム、Video to Music APIで利用できます。個別の料金はなく、Eleven Musicは1分あたり約900 ElevenLabsクレジットを消費し、音楽の商用利用は月額$6のStarterプランから可能です。
最終確認日:2026年10月26日
確認方法:Instant Soundtracks自体は試していません。以下の機能に関する内容はすべてElevenLabsの発表記事、APIリファレンス、変更履歴、料金ページに基づいており、デモ動画もElevenLabs公式のものです。後半の2つの音源は、手作業で同じことをする方法を示すため、2026年10月26日にRaoMusic上でテキストプロンプトから生成したものです。
ElevenLabs Instant Soundtracksとは?
発表記事では、ElevenLabsの動画向け作曲機能について4つの変更点が説明されています。
- 効果音の自動同期。曲を作ったあと、モデルが映像をスキャンして効果音を入れるべき場面を探し、タイムライン上に1つずつ配置します。ElevenLabsが挙げている例は「広告の最後でロゴが出るタイミングに合わせた『シュッ』という音」です。
- シーンごとの雰囲気の切り替え。テンポの速いシーンではEDMやR&B、ゆったりしたシーンではアコースティックギターへと、BGMが移り変わります。
- 動画にもともと入っている音声を参考に。既存の音声のジャンル、クレッシェンド、BPM、楽器編成を読み取り、それに合わせて新しい曲を作れます。
- ショート動画でのタイミング精度の向上:カット、トランジション、画面上の動きに合わせやすくなりました。
発表記事によると、この機能は公開初日からAPIで使えます。APIの変更履歴には、2026年10月19日付でVideo to Musicの項目が追加されました。
ElevenLabs公式のYouTubeチャンネルから埋め込んだInstant Soundtracksのデモ動画。動画にBGMが付き、画面上の場面に効果音が合わせて入る様子を見られます。
ElevenCreativeでInstant Soundtracksを使う方法は?
ElevenLabsによると、この機能はElevenCreativeの音楽タブにあるMusic Video Editorに入っています。
- 動画をアップロードします。モデルが曲を付け、選んだタイミングに効果音を加えます。
- 動画に入っている既存の音楽に新しい曲を合わせたい場合は、音声を参考にするコントロールをオンにします。
- 結果を確認します。効果音は音楽とは別のレイヤーに置かれるので、最初からやり直さずに効果音の位置を動かしたり、効果音を追加したり、曲を差し替えたりできます。
- 完成した動画をElevenCreativeから書き出します。
クレジットはElevenLabsのほかの製品と同じ月間枠から消費されるため、長い作品をアップロードする前に料金ページのプラン一覧を確認してください。
Video to Music APIで何が変わった?
APIのエンドポイントは POST /v1/music/video-to-music です。1本以上の動画ファイルを受け取り、デフォルトでは音声ファイルを1つ返します。APIリファレンスから、特に重要な設定をまとめました。
| 設定 | 内容 | 初期値 |
|---|---|---|
効果音の自動追加(add_sfx) | 動画内のきっかけに合わせて効果音を加える | false |
ファイルの分割(separate_tracks) | 音楽と効果音を別々のファイルにしたZIPを返す | false |
動画の音声に合わせる(use_audio_as_reference) | 動画の音声からジャンル、BPM、楽器編成、雰囲気、展開を参考にする | false |
音楽モデル(model_id) | music_v1、music_v2、music_v2_5 | music_v1 |
3つのスイッチはどれも初期設定でオフなので、通常のリクエストでは効果音なしの音楽だけが返り、モデルはmusic_v1になります。1回のリクエストで送れるのは最大10本、合計200MB・600秒までで、順番につなげて1本の動画として作曲されます。192kbpsのMP3出力にはCreator以上、44.1kHzのPCMにはPro以上のプランが必要です。
Instant Soundtracksの料金は?
発表記事にも料金ページにも、Instant SoundtracksやVideo to Music専用の料金は載っていません。料金ページで確認できるのは次の点です。
- すべての製品が共通の月間クレジット枠から消費し、Eleven Musicは1分あたり約900クレジットを使います。
- Freeプランは月10,000クレジット。Starterは月額$6で30,000クレジットです。
- 「Music commercial use」(音楽の商用利用)はStarterプランの機能一覧にあり、Freeプランにはありません。
ElevenLabsは料金ページでもAPIリファレンスでも、Video to Music専用の単価や add_sfx の追加料金を公表していません。動画全体に曲を付ける前に、まず短いクリップで試し、何クレジット使ったか確認しましょう。
手作業の方法ではどんな結果になった?
動画を読み取って作曲する機能がない場合は、BGMと効果音を別々に作り、効果音を自分で配置します。この方法で、ElevenLabs自身が挙げたロゴ表示の例を、RaoMusic上でElevenLabsの音楽モデルと効果音モデルを使って再現しました。
プロンプト:30-second background track for a product ad: upbeat modern electronic pop, punchy drums, bright synth plucks, builds to a confident ending(製品広告向けの30秒のBGM:アップテンポでモダンなエレクトロポップ、パンチのあるドラム、明るいシンセのプラック、自信のあるエンディングへ盛り上がる) · エンジン:ElevenLabs v2 · シンプルモード · インストゥルメンタル · 長さ30秒 · MP3
試聴メモ:パンチのあるエレクトロドラムと明るいシンセのプラックが鳴り、きれいに盛り上がって決然とした最後の一撃で終わります。プロンプトにかなり近い仕上がりです。シンセのフレーズは繰り返しが多くややありきたりですが、30秒の製品広告やSNS動画のBGMならそのまま使えます。
プロンプト:fast airy whoosh rising into a soft deep impact, for a logo reveal at the end of an ad(広告の最後のロゴ表示用に、空気感のある速い「シュッ」が上昇し、柔らかく低いインパクトに着地する音) · エンジン:ElevenLabsの効果音 · 長さ2秒 · MP3
試聴メモ:なめらかで空気感のあるライザーが、温かみのある低い「ドン」に着地します。指示どおりの音です。インパクトは鋭さより柔らかさが勝つので、シンプルでミニマルなロゴ表示やタイトルカードに向いています。
BGMは20 RaoMusicクレジットで、リクエストを送ってから約11秒で完成しました。「シュッ」という効果音は5クレジットで、約6秒以内に完成しています(5秒ごとに確認)。このあとは動画編集ソフトでロゴが表示されるフレームを探し、効果音の位置を合わせる必要があります。この位置合わせこそ、Instant Soundtracksが代わりにやってくれる作業です。
ほかの動画BGMの付け方と比べると?
| ElevenLabs Instant Soundtracks | RaoMusic 動画から音楽へ | テキストプロンプト+効果音を別に作成 | |
|---|---|---|---|
| 入力 | 最大10本、合計200MB・10分 | クリップ1本(MP4、MOV、WebM)、100MB・241秒まで | テキストのみ |
| 効果音 | 自動で生成・配置 | なし | 別に生成し、自分で配置 |
| 音楽と効果音の別ファイル | あり(APIでZIP) | 音楽のみ | あり(2ファイル) |
| 参考音声 | 動画自体の音声トラック | 任意で添付する参考音源 | なし |
| 料金 | ElevenLabsクレジット、個別単価は非公開 | RaoMusic:Rao v1.0で2バージョン20クレジット | RaoMusic:音楽1分あたり40クレジット、効果音1秒あたり1クレジット(最低5) |
| クリップの長さに合わせるか | ドキュメントに記載なし | 合わせない(編集ソフトでトリミングやフェード) | 長さは自分で決める |
ElevenLabsのクレジットとRaoMusicのクレジットは別の通貨なので、料金の行の数字はそのまま比較できません。
RaoMusicの「動画から音楽へ」ページはクリップの雰囲気を読み取って2バージョンを返し、初期設定はインストゥルメンタルですが、効果音は付けません。効果音はAI効果音ジェネレーターで、上の「シュッ」のような短い効果音を説明文から作れます。RaoMusicで作った音楽には、ライセンス条件に従い、全プランでロイヤリティフリーの商用利用権が付きます。商用ライセンスのページで説明しているとおり、これは利用ライセンスであり、著作権の譲渡ではありません。
Instant Soundtracksが向いている人は?
ElevenLabsの説明を見る限り、カットや画面上の場面に音をぴったり合わせたい短い広告、製品デモ、SNS動画に向いています。音楽と効果音を別ファイルで受け取って自分でミックスしたいチームにも合います。大量のクリップに曲を付ける開発者は、APIで add_sfx と separate_tracks を使えます。ナレーションの下にBGMを敷くだけなら、テキストプロンプトか効果音なしの動画BGMツールで十分です。音量や長さの調整はYouTube動画のBGMガイドで解説しています。フル楽曲でElevenLabs MusicとSunoを比べた記事はElevenLabs vs Sunoをご覧ください。
よくある質問
ElevenLabsの発表記事とAPIリファレンスでは、この機能は音楽と効果音を付けるものとして説明されており、ボーカルや歌詞のオプションには触れていません。
APIリファレンスには、enable_loggingをfalseにすると有効になるゼロリテンションモード(zero retention mode)がありますが、使えるのはエンタープライズ顧客のみです。それ以外の場合にアップロードした動画がどれくらい保存されるかは書かれていないため、ElevenLabsのプライバシー規約を確認してください。
まだ使えません。RaoMusicではテキストから生成するElevenLabs MusicとElevenLabsの効果音、そして独自の動画から音楽へツールを使えますが、ElevenLabsの動画を読み取って作曲する機能は入っていません。
はい、APIで指定できます。Video to Musicのリクエストには、最大4,100文字の任意のテキスト説明と、最大10個のスタイルタグを付けられます。指定しない場合、モデルは動画だけを手がかりに作曲します。
指定した場合のみ付きます。APIの sign_with_c2pa オプションを使うと、ファイルにC2PAのコンテンツクレデンシャルで署名できます。MP3出力でのみ使え、初期設定はオフです。
